【タイトル】
『世界の力関係がわかる本—帝国・大戦・核抑止』千々和泰明,筑摩書房,2025
【テーマ】
世界の国々の力関係から戦争と平和のメカニズムを考える、これからの世界を生きるための国際政治学入門
【なぜこの本を読んだか】
アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃、それによる情勢の悪化がきっかけ。これまで国際政治や軍事に関心をもってこなかったけれど、平和を願い戦争に反対するとき、自分には土台となる知識がないこと、今起きていることをきちんと理解できていないことに気づいた。まずは中高生向けの新書を読むことで大枠を捉えたいと思って手に取った。
【学んだこと】
- それぞれの国がよかれと思って合理的な選択をした結果、全体として不合理な結果を招いてしまう「直観に反する理屈」が存在すること
- 「世界大戦の発生メカニズムには、恐怖や弱みから生じる「脆弱性による戦争(やられる前にやる)」と、チャンスに乗じて攻撃を仕掛ける「機会主義的戦争(勝てそうだからやる)」の2つの違いがあること
- 国連は強制力を発揮できる場面が限られており、現実として侵略をグループ全体でやめさせる「集団安全保障」が機能していないこと
【視点の変化】
- ニュースなどで各国の行動を見た際、具体的な理由はわからなくとも、「そうするに至るジレンマや脆弱性が背景にあるのだろう」という視点をもてるようになった
- 核兵器の作り方がわかっている状況で核廃絶を目指すのは困難であること、対立する国同士が軍備を持ち合うことでかろうじてバランスがとれていたことがわかった
- 紛争が起きた際、当事者同士だけでなく、周りの国の動きにも注目し、どのようにバランスを取ろうとしているのかを見ていきたいと思うようになった
- 今後は一人の有権者として政治を注視し、選挙では候補者や政党の「安全保障・国防・外交」への姿勢もしっかりと判断材料にする
【感想】
講義のような語り口だったので非常にわかりやすかった。ただ、本筋から離れるエピソードがやや多かったのと、スター・ウォーズなどの例えが出てくると雑音に感じるところがあったのが少し残念だった。それでも、戦争が起きる理由や、第二次世界大戦後の世界がどのようにバランスを保とうとしてきたか、今何が起きようとしている(起きている)のかを知るきっかけになったのは大きな収穫だったと思う。しっかり理解できたとは言えないけれど、この本を足がかりにして自分なりに深めていきたい。


