在日米軍基地 米軍と国連軍、「2つの顔」の80年史

在日米軍基地 米軍と国連軍、「2つの顔」の80年史

2026年4月15日

【タイトル】

『在日米軍基地 米軍と国連軍、「2つの顔」の80年史』川名晋史,中央公論新社,2024

【テーマ】

「日本は基地を提供し、米国は防衛する」という通説の再検証と、米軍の裏の顔である「国連軍」の実態を通じた日本の安全保障・戦後史の捉え直し

【なぜこの本を読んだか】

イラン情勢が悪化するなか、アメリカに対して日本がどのような態度を示すべきか考えたときに、在日米軍基地の実態と日本の安全保障について学びたいと思ったから

【学んだこと】

  • 日本国内の約130カ所の米軍基地のうち、横田、座間、横須賀、佐世保、嘉手納、普天間、ホワイトビーチの7カ所は「国連軍基地」に指定されている
  • 米軍は有事の際、「国連軍」という身分に切り替わることで、日米安保条約で定められた日本政府との「事前協議」をせずに、日本の基地から直接戦闘作戦行動をとることができる
  • 日米安保条約には「アメリカが日本を防衛する義務」は明記されておらず、あくまで「日本防衛を支援する義務」にとどまっている
  • 日本は11カ国と国連軍地位協定を結んでおり、有事の際にはイギリスやオーストラリアなどの軍隊が国連軍として日本の基地に集結するだけでなく、民間飛行場や港湾にまで軍が展開することが取り決められている

【視点の変化】

  • 「基地を提供する代わりにアメリカが日本を守ってくれる」というのは希望的観測
  • 日本の安全保障を日米の二国間関係だけではなく、イギリスやオーストラリアなど多国間の枠組みで捉える
  • 基地問題は沖縄だけでなく日本全土の自分事である

【感想】

神奈川県に住んでいる者にとって米軍基地の存在は身近ではあるものの、その実態についてはこれまで全く把握していなかった。日本に国連軍がいることはもちろん、国連軍が何なのかも知らなかった。この本を読んで、アメリカにとって日本が重要な拠点であること、しかしその価値は流動的であることがわかった。まずは、有事の際のリアルなシナリオや日本全体の防衛体制、そして沖縄に偏重している基地負担のあり方について実態を正しく認識することが大事で、そのうえで国民全体の問題として議論を重ねていかなければならない問題だと感じた。