【タイトル】
『認知戦 悪意のSNS戦略』イタイ・ヨナト,奥山真司,文藝春秋,2025
【テーマ】
日本が実際に直面している「影響力工作」の実態を知り、SNSがもたらす社会の分断を防ぐための向き合い方を学ぶ
【なぜこの本を読んだか】
- スパイ防止法などが話題になるなかで、日本が置かれている安全保障や情報戦の現状を正しく知りたいと思ったため
- 日本は実際に「認知戦」を仕掛けられているのか、もしそうならどのような手法で行われているのかについて、陰謀論ではなく専門家による情報を得たいと思ったから
【学んだこと】
- 中国による「ALPS処理水」に関する偽情報の拡散や、沖縄での分断工作など、日本に対して実際に影響力工作が行われていること
- 普段何気なく使っているSNSを通して、知らず知らずのうちに思考や感情に揺さぶりをかけられ、行動や情報操作によって変化させようとされている可能性があること
- 最も重要なのは、まず「自分たちが外国から認知戦を仕掛けられている」という事実をしっかりと把握することであるということ
【視点の変化】
- 情報を鵜呑みにせず、発信元やその背後にある意図を意識するようになった
- 国内で異なる意見を持つ者同士の「対立」や「分断」は、認知戦を仕掛ける外国勢力にとって好都合であるということに気づいた
- だからこそ、安易な対立や分断に陥るのではなく、前向きな議論を通じてお互いの落としどころを見つけていく姿勢が重要だと考えるようになった
【感想】
この手の話はどうしても胡散臭さが否めないというか、危ない感じがして避けてきたけれど、実際に読んでみると、日本が実際に認知戦を仕掛けられているという事実からもう目を背けてはいられないなと感じた。SNSをみていると、スパイ防止法をはじめとする安全保障政策の議論が、内容について理解を深めたり、「ここはこういう理由でダメだけどこう変えるのであれば許容できる」と建設的に語られる場面より、賛成か反対かの二元論でぶつかり合う場面ばかりが目立つ。そこには、はっきりとした分断がある。バラバラになった社会は、国の力を弱めるだけのように感じる。まずは事実を知ること。周りの人々と話し合うこと。そして、自分と考えの違う人たちがなぜそう考えるのかを知ろうとすること。自分を疑ってみること。それが、ひとりの国民として今すぐできる認知戦への小さな抵抗になるのではないかと思う。


